過去3回にわたってダイワ、シマノ、アブ・ガルシアのリールの価格とテクノロジーで比較検討してきました。
今回で、予算・テクノロジー・自分の印象などを総合的に評価してみたいと思います。
先に公開済みの記事でダイワ、シマノ、アブ・ガルシアの各メーカーから2~3機種をチョイス済ですので、これらのリールをまずご紹介。
※ダイワ編でセオリーを選出してしまってますが、予算20,000円以下ということで除外しておきます。
ダイワ
・カルディア LT2500
・レグザ LT2500
シマノ
・ストラディック C3000
・アルテグラ C3000
アブ・ガルシア
・Revo Rocket 2500S
・Revo ALX 2500SH
・ROXANI 2500SH
過去には釣具屋で、箱にも入らず、糸もすでに巻いてある状態で、ワゴンに積み上げられて1000円で売られているようなリールを使った経験もあります。
ただ、そういったリールはやはり安かろう悪かろうですぐにダメになりました。
そういった経緯もあってそれなりの性能のものを手に入れたいと考えました。
ただ、現実的に考えて5万も10万もするリールは身分不相応ですし、そもそもそんなおこづかいもらってませんw
なので重視すべきはそこそこストレスフリーで快適に釣りができること。
つまり、ライントラブル対策、回転性能の考慮、自重の軽さなどなど。
そして、長期的に見て耐久性はどうか。これは、サビや塩噛みの対策がなされているか、ギアなどに摩耗しにくい素材を使用しているかなどが挙げられるのではないでしょうか。
というわけで、先ほど挙げたリールを比較しようと思います。
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回転性能はベアリング数で比較
回転を滑らかにする部品にベアリングというものがあります。
自動車や自転車など、回転運動を必要とする機械には必ず使われます。
ベアリングは回転運動を必要とする箇所の摩擦を軽減し滑らかに回転する手助けをします。
また、回転時に伴うぶれを軽減し力の分散を少なくする働きもあります。
もちろんリールもハンドルを回転させたり、ローターを回転させたり、ラインローラーなど回転運動を必要とするパーツがたくさんあります。
なので、ベアリング数が多いということは、ラインを巻き取る際の負荷を減らし巻き心地が滑らかになります。また、ラインを巻き取るときに手に伝わるノイズを減らすことができ、感度もよくなるものと思われます。
どのメーカーも巻き心地を追求して、ギアの形状や素材などの開発を行い、リールに実装されています。
ただ、実際に使ってみないと分からない部分が多いです。
そこで、単純にその性能を見える化する方法として、このベアリングの数で比較してみようかと思います。
以下は先に挙げた7機種のベアリングの使用数です。
機種 | ボールベアリング | ローラーベアリング |
---|---|---|
ダイワ カルディア LT2500 | 6 | 1 |
ダイワ レグザ LT2500 | 5 | 1 |
シマノ ストラディック C3000 | 6 | 1 |
シマノ アルテグラ C3000 | 5 | 1 |
アブ・ガルシア Revo Rocket 2500S | 11 | 1 |
アブ・ガルシア Revo ALX 2500SH | 7 | 1 |
アブ・ガルシア ROXANI 2500SH | 6 | 1 |
ボールベアリングとローラーベアリングとあるのはベアリングの種類です。
まぁ2種類のベアリングが使われてるんだなーって程度で流してもらえればいいですw
アブ・ガルシアのリールが群を抜いて使用しているベアリング数が多いです!
ボールベアリングが11個ってのはダイワやシマノで言うと、セルテートやヴァンキッシュといったハイエンド機種ですよ。
これらのグレードではせいぜい5~6個って感じですが、それがアブのリールだと2万円以下で買えるグレードで11個です。これはなかなかのコスパです!
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長時間使うリールだから、1gでも軽い方がいい
1㎏もあるような道具ではないものの、長時間直接手に触れて使うものなので1gでも軽い方が疲れがマシですよね。
軽いとそれだけダイレクトにアタリも伝わりやすくなり、感度も上がりますよね。
機種 | 自重 |
---|---|
ダイワ カルディア LT2500 | 190g |
ダイワ レグザ LT2500 | 235g |
シマノ ストラディック C3000 | 225g |
シマノ アルテグラ C3000 | 240g |
アブ・ガルシア Revo Rocket 2500S | 207g |
アブ・ガルシア Revo ALX 2500SH | 217g |
アブ・ガルシア ROXANI 2500SH | 228g |
ご覧のとおり、カルディアが唯一200gを切っています!
これはザイオンという高密度カーボンを使うことで軽量化して強度も高めたという、ダイワテクノロジーの賜物ですね。
また、シマノの場合はGフリーボディという、リール全体の重心を手元に近づけることでロッドとの一体感が向上し、キャストによる疲労の低減、ロッド操作性の向上につながるというテクノロジーがストラディック、アルテグラに搭載されています。
なのでシマノのリールは体感重量が軽く感じるのかもしれません。
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飛距離やライントラブルはどうなのか?
実際に釣りをしてて、ライントラブルほど時間を無駄にするものはありません。
また、全然飛ばなかったらそれだけでストレスです。
それは使う本人の努力も影響はしてくるのですが、何かしら道具にも頼れるとありがたいのですが…
そんなこと可能でしょうか?
機種 | 対策 |
---|---|
ダイワ カルディア LT2500 | ライントラブル対策:AIR BAIL[エアベール]、ツイストバスターII、LongCast ABS(LC-ABS)、クロスラップ、ABS II
飛距離対策:LongCast ABS(LC-ABS)、ABS II |
ダイワ レグザ LT2500 | 特に記載なし |
シマノ ストラディック C3000 | ライントラブル対策:AR-Cスプール、ワンピースベール
飛距離対策:ロングストロークスプール、AR-Cスプール |
シマノ アルテグラ C3000 | ライントラブル対策:AR-Cスプール
飛距離対策:AR-Cスプール |
アブ・ガルシア Revo Rocket 2500S | ライントラブル対策:ユニフローベール、ロケットラインマネジメントシステム
飛距離対策:ロケットラインマネジメントシステム |
アブ・ガルシア Revo ALX 2500SH | ライントラブル対策:ユニフローベール、ロケットラインマネジメントシステム
飛距離対策:ロケットラインマネジメントシステム |
アブ・ガルシア ROXANI 2500SH | ライントラブル対策:アルミユニフローベール、ロケットラインマネジメントシステム
飛距離対策:ロケットラインマネジメントシステム |
メーカーそれぞれの名前が付いているのでわかりにくいのですが、おそらくABS II、AR-Cスプール、ロケットラインマネジメントシステムってのは同じようなことなのかなという印象を受けました。
それ以外に気になったのはシマノのストラディックのロングストロークスプールです。
これはいままでステラというシマノの最高峰ハイエンドグレードにしか搭載されていなかったんです。
また、ストラディック搭載のワンピースベールはライントラブル軽減以外にも硬くて傷つきにくいというのがとてもよさそう!
リールってけっこう地面に置いて傷つけたりしがちな道具ですからね。
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そして塩噛み対策はどうか?
塩噛みは海で使い、直接海水に触れることもあり、各社色々と対策はされています。
これがエントリーモデルには搭載されていなかったりするので、長年使っていると経年劣化と思いがちですが、実は潮が原因で…ということも多いと思います。
これぐらいのグレードのモデルであれば、各メーカーきちんと対策はされているようです。
メーカー | 対策 |
---|---|
ダイワ | MAGSEALED(マグシールド) ボディとローターの隙間に磁性を持つオイルの壁を作ることで海水や埃などの侵入をシャットアウトするダイワ独自の防水構造。過って水に落としてしまうケース等を除き、マグシールド化されたリールの回転異音発生率は大幅に低下している。※ピニオン部分に採用 |
シマノ | X-プロテクト(アルテグラには非搭載) 撥水効果とラビリンス構造を複合することで、回転の軽さを損なうことなく、水圧にも耐える防水性能をラインローラー部とボディ(ローラークラッチ)部に搭載。S A-RB 業界初の「表面改質」により「不動態層」を形成し、錆を寄せつけないベアリングを実現したのがA-RB。さらに、その側面を防錆素材でシーリングし、ベアリング内部での塩分再結晶化による塩ガミを大幅に減少させたのがS A-RBです。 |
アブ・ガルシア | Salt Shield ベアリング 撥水コートを内部外部全体に施した新開発ボールベアリングを採用することにより、回転異音の原因となる塩ガミ現象を激減。回転フィール・耐久性を大幅に向上させることに成功しました。(ピニオンギア部,ラインローラー部に採用)HPCR ベアリング 高性能耐食性素材を採用したベアリングにより、耐久性、滑らかさ、耐食性を向上。あらゆる釣りの場面においてパフォーマンスを高めてくれる。 |
※各社ホームページより引用
各メーカー防錆対策は行っています。
ベアリングに防錆を行うのは定番なようですね。
ちなみにホームページ上に解説は見つけられなかったのですが、ダイワのカルディアにも防錆ボールベアリングCRBBが一つ使われています。
そうなると、それ以外の防錆対策はダイワのマグシールドかシマノのX-プロテクトか…って感じです。
ただ、X-プロテクトは「水圧にも耐える」って書いてあるんですよね。
一方マグシールドは「誤って水に落としてしまうケースを除き」ですからね。
シマノは水に落としても大丈夫ってことなのか??
どっちにしても、海に落としてしまったらメーカー修理は免れないような気がします。防錆はベアリングくらいでいいのかも?!
今現在使っているリールは防錆対策されているとは思えないし、そこまで厳重に防錆対策が必要なのか?
ある程度メンテナンスしていれば問題ないのでは?と少し思ってきましたw
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スピニングリールの選び方 まとめ:私的見解
自分的には、ここまで比較検討してみて、シマノのストラディックとアブ・ガルシアのRevo Rocketのどちらかがいいなーというところです。
ストラディックはなんといっても、ミドルクラスリールにも関わらず最新技術がハイエンドクラス並みに詰まっていること。
Revo Rocketはこの価格でベアリング数の多さ、回転性能が高そう!ってのと見た目がカッコいいことが大きいです。
そんな感じでこの両者が拮抗している状態…
20,000円以下にならない場合はRevo Rocketの一択になりますなw
まだ悩む時間はありますね~、うーむ…悩ましい。
これまでのことをまとめると…
スピニングリールを新調しようと思ったけど、何を基準に選べばいいのか?
1.まずは釣りたい魚種、やりたい釣種からリールの番手を決める
2.決めた番手から、メーカーごとのリール候補を絞り出す
3.購入予算を決めて候補を絞り込む
4.リール候補の中から性能やテクノロジーを比べ、自分に合ったリールを決める(見た目も重要!)
こんな感じかな?
あくまでも私の場合はという感じですので、参考にしていただけると幸いです。
次は買った後のレビュー編ですね。なんてw
ではでは!
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